『ノスタルジーに浸る』

世界中の様々な音楽をご紹介する番組 “ミュージック815”
『ノスタルジーに浸る』と題しましてThe Beatlesを特集致します。

音楽の世界では、作品の制作過程が映像としてドキュメンタリーやPVとして公開される事はあっても、制作過程の音楽そのものが公開されることは、あまり例がない様に思います。
1995年に発売された Anthology はそれまで未発表だった音源以外に、
制作過程の一端が垣間見れるという研究書的なCDでありました。
今回それらの音源から、『表現』という事について考えてみたいと思います。

【トラック  02 03 05 07 10 11 12 】
   From The Beatles’ Anthology 2 
【トラック  15 17 】
   From The Beatles’ Anthology 3
【トラック  01 04 06 08 09 13 14 19 】
   From 50周年記念アニバーサリー・エディション
   Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band
【トラック  16 】
   From 50周年記念アニバーサリー・エディション
   The Beatles
【トラック  18 】
   From Let It Be
ジョン、ポール、ジョージ、リンゴ 敬意と尊敬の念を込めまして、敬称は外させて頂きます。

それでは、音楽 スタート

01.Strawberry Fields Forever (Stereo Mix 2015)
02.Strawberry Fields Forever (demo sequence)
 アーティストが曲を書く場合にデモと呼ばれるもの。
 ジョンによるギターの弾語りですが、味がありますよね。
 このデモを聴く限りはテンポが異なる同じメロディーの2つの楽曲ではなくて、同じメロディーで世界観の異なる伴奏、そんな風に思えるんですが。
03.Strawberry Fields Forever (Take 1)
 ジョンの弾語りから四人の演奏へ変化するんですが、コーラスが省かれています。
 省いたのは、ジョンのこの曲の持つ素朴な美しさを聴いて欲しかったからなんでしょうね。
04.Strawberry Fields Forever (Take 4)
 以降へテイクを重ねるのは、ありきたりの美しさ、(誰もが)想像できる美しさ、
 それでは満足出来なかったのでしょうね。
05.Strawberry Fields Forever (Take 7 and edit piece)
 これはミキシングという、ラフなミックス処理が施されています。
 ポールの弾くメロトロンのイントロもオリジナルの演奏ですがそれ以上に、
 ジョンのダブリング(ボーカルの多重録音)処理で音像は引込みますが、
 何とも言えない気怠(けだる)い雰囲気が醸し出されます。
 おっと、リンゴのドラムも忘れてはいけないぜ!
06.Strawberry Fields Forever (Take 26)
 速さの異なるもう一つのテイクになるのですが、発表された楽曲が、
 Take 7 26 のリミックスになるので、ここまでくるとデモ曲のポップス感は色あせます。
 うーん、やっぱ弾語りデモ曲が良いよね?、思考のループ、思考の無限音階!
 絵画で例えるなら、MCエッシャーの上昇と下降、さて私は階段を降りる人? 昇る人?
07.Being For the Benefit of Mr. Kite! (Takes 1 and 2)
 テイク1のスピードだとあの伴奏でもおかしくない、と思う。
 テンポが若干速いテイク2だと、ジョンはその時その様に歌いたかったかもしれないけど、ライブならまだしも、発売されるテイクだとすれば正解のような気がします。
08.Being For the Benefit of Mr. Kite! (speech from before Take 1 Take 4 and speech at the end)
09.Being For the Benefit of Mr. Kite! (Take 7)
10.Being For the Benefit of Mr. Kite! (Take 7)
 上記テイク7に、ラフなミックス処理が施されています。
11.The Fool On the Hill (demo)
 番外編としてポールのデモを。実に多くの表現したい感情を演奏しています。
12.The Fool On the Hill (Take 4)
 デモと聴き比べると、デモにしか味わえない素朴な良さを感じます。
 だからといって、このテイクが悪いわけじゃないよ!
13.A Day In The Life (Take 2)
 これは、オーケストラとのアレンジが確定していなかった時のテイク。
 アレンジが出来ていないロケーションを数えるカウントが実に不気味です。
 エコーをかけてるんで、後付けかもしれません。
14.A Day In The Life
15.While My Guitar Gently Weeps (Harrison)
 ジョージとポールのデモを。
16.While My Guitar Gently Weeps
 曲の後半で聞こえる高声を震わせた様な個所(鳴ってる音が皆震えていますが)、 これはあかんやろ、今、えってって言った奴、彼女に聞いてみろよ!
17.I Me Mine (Harrison)
 ポール、ジョージ、リンゴの三人の演奏。
18.I Me Mine
 フィル・スペクターによるアレンジが施されている。
 これはこれで味があるんだけど、Let It Be… Naked ではカットされます。

 最初の着想からアイデアをふくらましていく過程は音楽に限った話では無いと思う。
 結果何かしら後付けが加味される作品も多いが、そんなものが無くても成立する作品も多い。
 表現と言うなら、後付けされた意味合いを云々なんてのは、やめて欲しい。
 これは音楽に限った話でなく、表現を生業にしている方々のお話。
 そうそうこの番組も6年目に突入、胆に銘じて忘れる事無く日々精進。
19.When I’m Sixty-Four (Take 2)
 今日はこの曲でお別れ、次回をお楽しみに。

【放送日時】毎月第2、第4金曜日 夜19時~
FM81.5MHz ラジオスイートより ON AIR !

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